「王様の耳はロバの耳」
- このお話しは、売りに出された一棟収益マンションを購入して頂こうと、ある不動産屋の方を
ご案内させて頂いた時の事です。
その方はA部長(役職も仮称です。)と言い、その会社の中でもすごくやり手の部長で自分自身
にも厳しいが、人にも大変厳しいお方・・・
部下がお客様に迷惑を掛けようものなら、真っ赤な顔をしてどなりちらすので、普段から部下
にも恐れられている存在!
体も大きく大変失礼だが顔も恐い! σ(^.^)も人のこと言えませんが・・・
ミナミの帝王のオーディションに応募すれば即採用か!って方なんです。
かといって悪い人ではなく、根はすごくまじめでやさしい方なんですけどね・・・
案内させて頂いた物件は7階建で、ちょっと変わった収益マンションだったんです。
1階から6階までは普通の造りなんですが、7階部分は後から無理やり付け足したような構造で
ポツンと1部屋だけあるんです。
それも1階から6階まではエレベーターで上がれるのですが7階にあがるのには露天の屋根無し
階段(幅、約1.5m位)をあがらなければいけないんです。
雨の日はどうすんねんやろ? やっぱり傘、ささんとあかんやろな~と考えながら階段をのぼって
いったのですが、A部長は階段の途中から上がってこない?
部長!見ないんですか~と言うと・・・ A部長は下からでもわかるからいいよ!との事
A部長は階段の途中で座って景色をながめています。
しかたなくA部長のところにいって、隣に座りσ(^.^)も一緒に景色を眺めたのですが、その日は
快晴で雲ひとつ無いすばらしい眺め・・・
↓↓↓続きはこちら - しばらく雑談をして、もうそろそろ行きましょうか?と言ったのですがA部長は、んっ!うん
と言って動こうとしない?
よっぽど、この吸い込まれるような眺めが気に入ったんだな・・・
σ(^.^)はもしかして買ってくれるのかなと期待しながら、もう少し付き合う事にしました。
しかし他の物件も見てもらう予定だったので、ちょっとあせりぎみにもう一度、そろそろ行きましょう
と言ってみたがA部長は動かない・・・
しばらくするとA部長は無言で、すくっと立ちあがりましたが、すぐに座り込んでしまいます。
σ(^.^)は???状態・・・
A部長は立ち上がっては、すぐ座るを何回か繰り返したあと、意を決したように目をつぶり手すりに
つかまりながらヨタヨタと降りていきました。
もうわかりますよね! A部長は 高所恐怖症だったんです!!!
σ(^.^)があっけにとられているとA部長は青い顔をしてポツリと一言、誰にも言わないでくれ・・・・
数年前の話ですがもちろんσ(^.^)は誰にも言ってませんし、できる限り記憶から削除しました。
しかし、つらいんです・・・・
その光景が目に焼きついてしまっているので、たまに記憶がよみがえってしまうんです。
「王様の耳はロバの耳」にでてくる理髪師の気持ちがよくわかるんです。
A部長! σ(^.^)は一生、誰の事かを言いませんし人里離れた場所に穴を掘って叫びませんので
ご安心ください!
(※A部長にはプログの掲載を了承して頂いております。) -
2007/12/02 【日】 | 不動産こぼれ話
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