土地所有権の範囲
- しばらく不動産ネタをやっていなかったので、ここらでひとつ・・・
土地所有権の範囲ってご存知ですか?
民法第207条には、土地の所有権は、法令の制限内において、その土地の上下に及ぶ
となっています。
つまり自分が所有する土地の上下は法律上、全て自分の物と言う事ですから地下深くから
はるか上空まで、自分の物になるわけです。
しかし、『法令の制限内』となっていますので地下鉄や地下ケーブルを通す場合、個人の
所有権よりも公益が優先される事になるのです。
飛行機も土地の所有者の許可が、いちいち必要であれば事実上、飛ぶ事ができませんよね!
所有権は大変強い権利ですが、多くの人々に迷惑がかかったり、損失を与えたりする恐れが
ある場合、社会的利益と比較考量して、所有権が制限される場合があるのです。
よく雑学ネタで出てくる話・・・
隣家から境界線を越えて侵入してきた木の根っこは勝手に切っても良いが木の枝が侵入して
きた場合、木の所有者に切除を請求すべきとなっています。
これは民法第233条により定められています。
なぜ枝と根っこは違うのかと言うと、根と比較して枝の方が高価な場合が多いという事と
枝であれば、木の所有者が隣地へ立ち入らないで剪除できるが、根は隣地に立ち入らなけ
れば截断できないという理由との事です。
それでは、地中から侵入した根が大根やジャガイモの場合、勝手に切って食べていいのか?
勝手に切った根っこが原因で隣家の木が枯れた場合は?
枝を切ってくれと頼んだが隣家の人が、なかなか切ってくれない時?
う~ん!そこまで、こまかく条文に規定はないので事情によりケースバイケースでしょうかね・・・
結局、法律の条文に書いてあるからって物事はすべて解決するものではありません。
お互い譲り合って、よく話し合いを行い円満な社会生活をしましょうね!
それ以外に、誰にも迷惑がかからない場所で地下を掘り進むうち地球の反対側に
出ちゃった場合はどうなるんでしょうね? それを考えると眠れなくなります (´_`;)
※上記の内容は個々の事情により法規定や法解釈が異なる場合がありますのでご注意ください。
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2008/1/29 【火】 | 不動産に関する雑学