不動産に関する時効
- 時効で預金が消滅する話しをさせて頂きましたが、不動産はどうなんでしょう?
お金の場合は1枚1枚に名前が書いてあるわけではないですよね。
債権にしたって書類が存在する事はあっても権利が目に見えるものではありません。
『債権(お金を請求する権利)の場合、5年で消滅します。ちなみに税金も同様です・・・』
でも不動産の場合は、もの自体が存在します・・・
所有権が法務局に登記されていますので、誰が所有者なのかもはっきりとしていています。
しかしそれが時効によって、失う事になる場合があるんですよね~
それは民法で定められていて、取得時効と呼ばれます。
σ(^.^)は宅建主任者試験の勉強をしている時に初めてこの事を知りました。
民法第162条
1.二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者
はその所有権を取得する。(悪意の場合)
2.十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は
その占有の開始の時に、善意であり、かつ、過失がなかったときは、その所有権を
取得する。(善意の場合)
それぞれの文末に書いている悪意や善意は悪人、善人と言う意味ではなく知っているか
知らないかという意味になります。
わかりやすく言うと・・・
1.他人の土地と最初から知っているのに、堂々と自分の物のように20年間使用し続けた場合は
自分の物になると言う事です。
2.の場合、他人の土地と知らず自分の物のように10年間、堂々と使用した場合は自分の物にな
ると言う事です。又、他人の物である事を10年間の途中で知った場合でも、使用開始のときに
知らなければ善意になります。
但し、時効の効果は10年たったから20年たったからといって自動的に所有権を得るものではなく
時効の援用(時効の利益を受ける旨の意思表示)によって取得するものとされています。
だから消滅では無く取得時効と呼ばれているんじゃないかなと思います。(正確な事は知りません・・・)
もっとも、この時効期間の証明はそう簡単では無いとの事ですけどね・・・
しかし国の土地が実際に取得時効によってかなりなくなっているとニュースで見た事がありますから
実際に、この法律は生きている法律のようです。
だからと言ってこの法律に関して σ(^.^)に相談しないでくださいね!
σ(^.^)は法律の専門家ではないので、弁護士に相談を御願いします。
冷たいな~って言われるかもしれませんが、不動産屋の民法の知識ってトラブルを解決する為の
知識ではなくて未然に防ぐ為の知識なんですから・・・ -
2007/12/11 【火】 | 知らなきゃ損ですよ!