強制執行妨害
- σ(^.^)は仕事柄、強制執行の断行に立ち会う事があります。
内容はさまざまで、家賃を延滞した方・競売により落札されたのに居座る等々です。
今日は、その際にあった出来事をお話しさせて頂きます。
っと、その前に断行って言っても、ご存知無い方もおられると思いますので
まず、一通りそのご説明を・・・
強制執行の手順としては、まず強制執行命令の申立てをします。
その後、催告と言って裁判所の執行官は、占有者に任意退去を促します。
又、催告の日は、開錠技術屋(鍵屋さん)と執行補助者(荷物を搬出保管する業者)
を同行する場合が多いです
その人たちは、何をするのかと言うと、開錠技術屋さんは当日、占有者が不在の
場合、錠を開ける役目で、執行補助者は搬出する荷物の量や内容等を確認し費用
の見積もりをします。
猶予期間を1ヶ月程度定め、それまでに退去しない場合は強制的に家財等の荷物を
強制的に搬出、これを断行と言います。
断行の時は一般的な引っ越しと違って、かなり迫力があります。
裁判所によって違うと思いますが、執行官は何件もの案件をかかえているので
忙しく短時間の間に家財を特定し、目録を作りながら梱包し搬出運搬をします。
だから搬出作業する人の人数が、びっくりするほど多く、あっと言う間に荷物が
搬出され無くなってしまいます。(強制執行専門の業者が作業します)
その時、占有者が泣こうがわめこうが、おかまいなしにどんどん執り行われて
いきます。
もちろん妨害すれば即逮捕で、その場から警察署へ強制連行となります。
一般的には数時間で、きれいさっぱり片付くのですが、ほとんど丸1日近くかかった
事がありました。
その物件は、ある金融機関が破綻し特別精算となった会社の不良債権で、抵当権を
実行して自己競落し自社所有になってから処理を・・・ (ややこしくなるので省略)
とにかく、その物件を占有しているのは 「占有のプロ」 の方たちでした。
断行の執行当日、占有をしている中の一人がハサミを自分の首にあて、ここを出て
行かなあかんのやったら死んでやる! と叫んでいます。
これには困りました、持っている物がナイフ等の刃物、又はハサミをこちらに向ければ
警察を呼んで、即逮捕になりますがハサミは文房具で自分自身の首にあてている・・・
時間がかかっても説得をするしかありません。
裁判所の執行官は次の案件があるからとイライラし大勢の執行補助者さん達は、ただ待つ
しかなく、その現場はかなり険悪なムードが漂っていました。
担当した弁護士事務所の職員も、かなり困りはて弁護士の先生に連絡をとったり執行官を
なだめたり、見ているこちらが可哀想でしたね・・・
結局、占有者は説得に応じ、断行は無事に終了しましたが占有のプロ達の仕事?
っぷりには泣かされました。
大のおとなが、たったひとりの為に数十人、なにもできずにボーっとしてるのですから・・・
俺達が相手だと苦労するぞ!
という事を示す今後の為のパフォーマンスなんでしょうけどね!
それがわかっていても、どうにもならないのは辛かったです。
こぼれ話のこぼれ話・・・
後日に知った事なんですが、その物件はVシネマの難波金融伝・ミナミの帝王の
撮影現場に使用されていました。 (萬田銀次郎と敵対する悪徳金融屋の事務所)
ある日、同僚がたまたまそのビデオを見て気付き、確認すると間違いなくその物件でした。
それから数年後、その同僚はいつのまにか行方不明となりました。
萬田銀次郎が、どこかへさらっていったんでしょうか? (そんなあほな!)
※この話しは十数年前の出来事であり、現在とは法規定や法解釈が異なる場合があります。
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2008/6/07 【土】 | 不動産こぼれ話